第5回「新しいクラブの創造を」
第5回「新しいクラブの創造を」
増岡敏和氏(詩人・サークル運動研究家)
氏はクラブ運営のポイントについて話された。青年は 「成長したい、責任を持ちたい、認められたい」という要求を持っている。クラブの目的や意義は「剣道をテコに、コミュニケーションと協力・共同を通じて、 自己発展を求めながら、個々人の要求の実現をはかる」ことであり、一人ひとりは「剣道がしたい、剣道がうまくなりたい、剣道をとおして友人が欲しい、剣道 と友人をとおして自己発展したい」という要求を持っているが、練習を続けていく中で、「個人の目標とクラブ全体の目標が出てくる。その際、この二つの目標 という“二頭立て”のプランが必要になる」、個人の目標も皆に知ってもらい、個人とクラブ全体の目標を全員にわかるようにすること。さらに、クラブ運営に ついては「一方通行でなく多角通行であり、教えた者が相手の反省する姿を見て、そこから学んでいくという生き方を含めた学びあいがある」。
運営のポイントとして三つの中心「生き方中心、励まし中心、例会中心」。三つの大切「連絡重 視、批評重視、新人重視」。そして討論を行うこと。決して多数決はとらない。10人のうち1人が反対しても9対1というようにはしない。この一人は他と違 う知恵を持っている。この一人に保留を求め、実践して再度話し合う。私たちが所属するクラブにあてはまることであり、新鮮な魅力と希望を与えてくれた。氏 の指導で散策の時間に「ひたすら頭を使わない集団」が詩づくりに熱中した。
(第5回・1983年10月・山中湖)