第4回「走るロマンを求めて」

第4回「走るロマンを求めて」
山西哲郎氏(市民ランナー指導者・群馬大学助教授)

人間には自然の子(小さい頃にある心で、夢がある)と世間の子(夢破れ、あきらめ、退廃的になってくる)があり、この二つの葛藤の中で生きている。走るというのは単調だが、そこには自然の子が生きている。

人間は自然の中にいると前向きになる。走ることはあまりに競争させられてきた。速い人は好きに なり、遅い人は嫌いになる。結果ではなく、過程を大切にして楽しくやってしまう「楽走」と自然の中で自然と一体になって走る「自然走」をすすめたい。旅= 他燎(たび)とは他の土地で食事を囲んで話ができること-人との出会いである。

「初心者であっても自分なりに楽しんでいる人が名人」と楽走や自然走に共通なロマンを感じ励まされた。

(第4回・1982年10回・山中湖)


第3回「文化の喜びを皆のものに」

第3回「文化の喜びを皆のものに」
玉井徳子氏(統一劇場)

玉井氏は「あんちゃん」の公演をとおして劇団運営としての経験を話された。地方公演を組織するには準備のために事前に100人くらいの人と会うこと。一方的に与えられる喜びでなく、観客自身も舞台を創っているという一体感が観客も身を乗り出してくるような舞台となる。

このような関係を大事にしていること、そのためには人を信じ、人間の可能性を信じて、一人よがりになってはならないことなど、私たちがクラブを組織したり、運営したりするとき、集団にかかわりあううえで示唆に富む話であった。

(第3回・1981年10月・山中湖)


第2回「民族文化とは何か」

第2回「民族文化とは何か」
進藤貴美子氏(舞踏研究家・都立北多摩高校)

進藤氏は、日本の民族舞踏は、「日常の労働の動きが、 舞踏的に形象化されてきたもの」であるとし、「農耕民族としての膝下空間の支配力」と剣道の身体運動との共通点について語った。何かをやる場合に、「やっ て楽しいと思わないと意味を見いだせない」そして、「日本の優れた舞踏文化遺産に触れることは、あらためて外国の特徴、あるいは独自性を捉え直してみるよ うになる。そうすると自国のものも、また逆に捉え直しができる」「剣道は武道か、スポーツか、そんなことで目くじらを立てる必要はなく、スポーツも直輸入 した形で、そのまま再現することはありえず、日本的な形で受け止め、発展させている」という話も印象的であった。

講演の後で、進藤氏の指導で皆で楽しく踊った。剣道の経験が長い人ほど腰の動きが悪く、ぎこちない踊りになった。

(第2回・1980年5月・山中湖)


第1回「明るい剣道をめざして」

第1回「明るい剣道をめざして」
奥川金十郎氏(範士八段・全国剣道協議会会長)

氏は戦前から警視庁で剣道を修行し天覧試合にまで出場した剣道家である。幼少から闘鶏を育てることが趣味で情熱を傾けたことでも知られている。戦後は三重県の熊野市に戻り、母子寮を運営するかたわら剣道の指導をしてこられた。

毎年京都大会ではその凛とした剣風を披露されていた。氏の剣道修行のエピソードを 交えたとつとつと明るい語り口に、これまで歩んでこられた道のりに思いを馳せ、剣道を志す者にとってズシリと腹に響くものを感じた。また「幸せに生きるた めに、剣道を通して、生活を広げ、豊かにし、明るい社会を築こう」と訴えられた。

(第1回全国剣道学校・1979年7月・大阪)


書籍 日本剣道の歴史

rekisib

日本剣道の歴史
大塚忠義 著
窓社
在庫切れ

目次
プロローグ
剣道の起源および生成 刀から竹刀へ

一 剣道の誕生前夜
二 竹刀剣道の誕生
三 竹刀剣道の普及
四 竹刀剣道の波紋
五 竹刀剣道の文化
近代剣道の変転1 剣道の多様化
一 撃剣興業の登場と衰退
二 剣術の禁止から復活
三 軍事剣道の特徴
四 大日本武徳会の発足と矛盾
五 現代剣道の源流
六 広がる試合剣道
七 昭和二年試合審判規程の思想性と構造
八 技の虚構的発展
近代剣道の変転2 剣道の戦技化
一 戦技化への概略
二 剣道の変質
三 戦技化をめぐる議論Ⅰ
四 戦技化をめぐる議論Ⅱ
五 なぜ剣道は戦技化されたか
六 斬るという技術と思想
戦後剣道の再興 剣道の社会化
一 剣道の禁止
二 剣道の復活
三 学校剣道の理念とルール
四 戦後の警察剣道の歴史
五 「剣道理念」の制定と試合審判規則の改訂
現代剣道の混迷 剣道の変質化
一 全日本選手権大会の技術に未来はあるか
二 全日本剣道連盟の施策の有効性
三 全日本選手権大会の出場資格制限と選手
四 高校生の剣道人口の減少
五 柔道の教訓
六 まとめにかえて

書籍 日本剣道の思想

sisoub

日本剣道の思想
大塚忠義 著
窓社
在庫切れ

目次
プロローグ
 

自分の問題から
●一つの疑問
●どのように稽古し、指導すればよいのか
●普遍的な技術価値の基準が見えない
場外対論インタビュー1 なぜ八段審査を躊躇するのか

なぜ試合は面白くなくなったか

●最近の試合傾向
●試合の長時間化と低質化の原因
●一本の打突部位にも偏りを生んでいる
●観客のいない剣道大会
●試合の奨励と試合の蔑視の間で

場外対論インタビュー2 剣道に観客は無用か

なぜ本気の稽古が出来ないのか
●これでいいのか稽古のあり方
●なぜ稽古に配慮と制約が必要か
●もっと規制の意味が語られるべきである
場外対論インタビュー3 竹刀剣道に精神文化はあるのか

何のための稽古か
●稽古それ自身に価値があるということ
●求められる客観基準
●出口はどこに
場外対論インタビュー4 修行の論理は超えられるか

規則はいかに見直されるべきか
●現代剣道の出発点とは
●「剣道理念」の制定とそれ以後
●新改訂で根本的矛盾は解決されるか
●当てっこ剣道は克服されたか
場外対論インタビュー5 剣道理念はなぜ必要なのか

なぜ全日本に資格制限が必要なのか
●資格制限への批判
●「日本一強い」剣道ではなく「日本一いい」剣道
●国内試合と国際試合の矛盾
場外対論インタビュー6 湯野正憲の剣道論に何を学ぶか

段級審査制度は何を保証しているのか
●段級審査の目的
●試合による「高度化」を補完する段級審査
●高齢者にとっての段級審査の問題点
場外対論インタビュー7 竹刀剣道の文化性とは何か

有効打突とは何か
●権威者の認定から暗黙の了解の一本へ
●技術評価より態度評価を優先
●本格的な有効打突規定の誕生
●戦時剣道における斬突規定
●学生剣道としての戦後出発
●真の有効打突への視点
場外対論インタビュー8 段位の審査基準は明確か

なぜ剣道人口は減っているのか
●問題はどこにあるか
●剣道の担い手はどこに!?
●出口はどこに!?

場外対論インタビュー9 剣道のファミコン・ソフトはなぜないか

10

女性剣道に未来はあるか
●女性剣道の現状
●女性剣道に何が期待されているか
●女性剣道家の課題意識
●女性と段位の問題
●未来のイメージ
場外対論インタビュー10 剣道界は本気で女性剣道を考えているか

11

剣道の国際化は何をめざしているのか
●国内矛盾の再現としての国際化
●引き起こされる逆転現象
●外国では何が起こっているか
●注目される韓国剣道
●日本剣道が考えておかなければいけないこと
場外対論インタビュー11 剣道の国際化に理念はあるか

12

日本剣道の未来-私の改革提言
●日本剣道の根本問題
●検討されるべき規則
●真剣思想の超克
●竹刀剣道の思想なくして日本剣道の未来はない
場外対論インタビュー12 のびのび剣道学校は何をめざすか

エピローグ
 

書籍 のびのび剣道学校―一撃の美を求めて

nobi-kenb

のびのび剣道学校
大塚忠義、宇都宮伸二、坂上康博 著
窓社
在庫切れ
目次
序章
一撃の美

1 私たちの求めるもの、
2 私たちの指導、
3 剣道の文化性

第1章
温故知新 竹刀・防具・ルールの変遷から見た剣道

1 竹刀打ち込み剣道の登場 運動文化的意味
2 町人の剣術論現れる 庶民剣術のパワー
3 流派の崩壊と技術の発展 試合のおもしろさ
4 撃剣興行の登場と禁止 政府の剣道への干渉
5 西南戦争 警視庁抜刀隊
6 大日本武徳会の発足とその目的
7 斬新な剣道具 有効打突がひと目でわかる道具の工夫
8 チャンバラ映画の影響?
9 若き開拓者たち 近代剣道の技術的発展と学生たちの貢献
10 戦技への逆行 戦時体制下の剣道の変質
11 新たな出発 禁止から復活への過程での道具
12 現代剣道の課題
第2章
技術戦術 剣道の魅力の本体を探る

1 私たちをかりたてるその魅力
2 私たちは何を競っているのか
3 いかなる瞬間を狙っているのか
4 スピーディで美しい動作
5 素早く的確な反応
6 相手の攻撃とスキを見通す力
7 戦術と戦略

第3章
創意創造 わかる剣道楽しい指導

1 私たちのめざす指導法
2 打ち方
3 よけ方
4 スキづくりと防御のレベルアップ
5 応じ技とさそい
6 技術レベルに即した試合 一方攻撃
7 作戦作り 軍資ごっこ
8 試合やルールを工夫しよう 有効打突を固定的に考えない
9 二刀流のすすめ スキを実感してみよう
10 いろいろな工夫

第4章
展開事例 中学・高校・大学の授業で活かす
1 剣道の授業の単元計画案[中学]
2 剣道の授業の単元計画案[高校]
3 剣道の授業の単元計画案[大学]
第5章
剣道学校 縦横無尽の交流を求めて
1 一人ひとりが主人公
2 特別講演
3 実技研修
4 分科会
5 合宿運営
6 剣道学校がめざすもの
第6章
山々雲々 わたしにも言わせて
技は人なり 剣道休業 やめてやる、と思いつつ
面金の中からちらっと二本 改善してほしいこと
こんな先生の前に立ちたい 笑える剣道
課題をひとつずつ 突きってなに? 剣道学校とともに
元立六段以上ってなに? 二つの魅力
教育文化としての剣道 国際化と剣道組織 もっと戦術問題を
下段なしの不思議な世界 六十の手習い 試合規則改正案私案
新鮮さと無味さの間 自由な雰囲気のなかで 演劇と剣道
剣道の言語表現 自己表現性を高めたい
理由知りたい昇段 審査結果
始めた頃がおもしろかった 未消化に悩む
海外生活体験から 「打つ前の仕事」 楽しむ剣道
性差を越えて 「一撃の美」を考える
「まだまだ」だなんて 矛盾を感じながら
第7章
大声小声 ちょっと変だぞ日本剣道
●これからの名人は?
●斬るとは
●打突の基準の多様さと楽しさ
●「強くなってものを言え」ということ
●剣道は打つ数を数えることかな
●影法師剣道 自分へのまじわり
●インディアン剣道 相手とのまじわり
●なぜ減るのか、剣道人口は?
●どうして先生の道具のあとかたづけを
●刀の観念の一本への疑問
●遠慮と剣道
●稽古は感受性を高めるもの
●すいません打突剣道
●発信感覚と受信感覚
第8章
剣心去来 往復書簡・これからの剣道
●大塚忠義から作道正夫へ
●作道正夫から大塚忠義へ

書籍 のびのび剣道学校講義 風の巻

kazeb

のびのび剣道学校講義 風の巻
のびのび剣道学校実行委員会 編
在庫あとわずか

目次
はしがき
 
講義1

スポーツ心理学からみた上達のしくみ 工藤孝機
ほんとうの上達とは何か
日本式訓練法への疑問
やる気
目標の定め方
努力の仕方がわかること
課題の性質
何を目標とするか
のびのび&考えながら

講義2

すばらしい技を生み出すトレーニングとは 須佐徹太郎
『トレーニング革命』との出会い
選手達をつぶすトレーニング
筋肉を動かす三つのエネルギー系
瞬発力
決め手は酸素
ポイントは動作そのもの
ストレッチや「科学的練習」の落とし穴
力を生み出す根幹を考える
初動負荷理論
いい動作をつくる

講義3

大切なこと、それは遊びの心! 大貫映子
ドーバー海峡三三キロを泳ぐ
またそれもスポーツっていう世界
オーストラリア体験の記
パースの浜辺の朝七時
個人をとっても大切にする社会
あらゆるプレッシャーから自由である心
楽しむってなんだろう?
チャレンジ精神が根づかない日本社会
あなたらしく

講義4

剣道具に込められた職人たちの技 伊藤穀
まずは面金の話から
藁巻き
勝負は物見
プロ魂
一分刺しの是非
関東型と関西型
いせをつくる
面の形は未来も不変?
できあがり!

講義5

自分史、そして剣道学校に託するもの 大塚忠義
1.自分史
習いたての頃~東京教育大学時代
師匠との出会い
技の追求と社会の自由
新たな疑問と試合経験
四つの矛盾
2.剣道学校に期待するもの
理念・有効打突の不同一性と思想
ルールの検討と改定
同業者世界をこえる議論を


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